もうすぐビールをつくりはじめて5年。
5年前に描いた絵が、気付けばたくさんかたちになっていって、月日の重なりの上にある今を実感します。
そして次の5年、向かいたい方向性を2人で話しました。
根底は変わりませんでした。
「小豆島×ビール=『 』」を合言葉に、「もっとおいしく、もっとたのしく、30年後も」。可能性をもっともっと深追いしていく。そしてちょっと先のことまで考える。
品質を高める継続的努力は大前提の上で、うまいの先はオンリーワンのビールになりたい。それは私たちにとっては、この島のおいしさがつまったビール。ここでしかつくり出せないもの。
定番4種と季節商品。島の果物、麦、ホップ、酵母、木桶…5年間でたくさんの島の素材と向き合ってきました。だけどこれはまだ島の一部。向き合いたい素材もまだまだたくさん。
けれど、「小豆島×ビール=『 』」の可能性は「素材を使う」それだけでもありません。
いくつか描く次の絵のひとつは、「いろんな人と一緒にビールをつくりたい。みんなのブルワリーにしたい。」
時に「これ(例えば果実、野菜)でつくれんかなー」と生産者さんから、時に「うちのオリジナルビールつくりたいんやけど」とお宿やお店から。相談を受けた後、大半は「さぁどうつくろうか」と私たちで吟味しながらつくっています。
(↑オリーブのビールは問合せ多数、さすが小豆島)
だけどもし相手の方にその意向や好奇心があるなら、素材やバトンをただ受け取るのでなく一緒に考えてつくれるようにしていきたい。どんなスタイルがよいか、どんな原材料の組み合わせを選ぶのか、どう販売するのか…。そのためには私たちはもっと説明できる技術料・度量を磨きたいし、つくりたい人とビールについて学ぶ場があってもいいな。
(↑醸造体験はつくるのももちろん、学ぶことをたのしんでくださる方が多い)
人の数だけアイデアは増える。
一緒につくった分だけ愛情は生まれる。
醸造体験やこれまでのコラボビールでも実感したこと。
自分がつくったもの、自分のアイデアでできたビールが島のいろんなお店や宿にあって、そこでしか飲めない、愛着がたっぷり詰まった液体を皆が口にする。そんな妄想を描いているのです。
ただ現実は、年を経るごとにいろんな方から受ける相談を断ることも多くなってしまっている。申し訳ない。お受けする多くは季節の実りだから、一度したら翌年また収穫時期がきて、「また今年も」となるパターンが多い。つまり増え続ける一方でキャパがいっぱいになってしまう。
本当はもっとつくりたい、つかいたい!
まずはすこし大きくした設備での生産体制を整えて。いつか果てには、すきな人がすきな時に、個人で小ロットででもビールを自分でつくれる場所になっていってもいいなー。なんて思ったり。
私たちは今、島唯一のブルワリー。だけど、本来「小豆島×ビール」の可能性を探求すること、この島でのビールカルチャーの創造は1人や2人、少人数だけですべきことでもないように感じます。
私たちだけでなく、みんなのブルワリーになっていけないものかなと、目論んでいます。